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LeSean 'Shady' McCoy=RB Buffalo Bills

LeSean McCoyは今年Kiko Alonsoとの衝撃的なトレード(びるずだいなすてぃさんの記事)でPhiladelphiaから加入した7年目のRBです(5年40ミリオン、サインボーナス13ミリオンで契約詳細はコチラ)。2009年のドラ2(全体53位)。ドラフト時にhorikomiさんが素晴らしい紹介記事を書かれていますが、補足すると、Pittsburgh大出身(HCはDave Wannstedt,2005-2010)で有名なのはTony DorsettとDan Marinoですが、Dorsettをして「私に私自身を思い起こさせる初めての選手」と言わしめています(wiki)。大学では2年しかプレイせず、アーリーエントリーを決めました。高校最終学年を怪我で思うように走れなかったので、「約束されているものは何もないし、すべては一瞬で奪い去られる」という謙虚な気持ちからだったようです(コチラでは高校やカレッジの動画が見れます)。

2年目にBrian Westbrookが移籍してスターターとなり、これまでプロボウル3回、オールプロ2回、2013年は1607ydsでリーディングラッシャーとなり実績は充分です。コチラは2011年シーズン後のハイライトですが(ちなみに♯71 LTはJason Peters)、スクリメージからの10yds以内で特異的な才能、すなわち「1対1のタックルをかわす能力」を発揮する選手であることが分かります(そういう意味ではかつてのBarry Sandersに似ています)。こういうプレイスタイルですから、当然、インサイドよりもアウトサイドのランのほうが向いています(真ん中が走れないということではありません)。さらに、フィールドを広く使って、オフェンス選手の間隔を拡げたほうがディフェンダーの間隔も拡がるので、McCoyが抜きやすくなることも自明です。ビッグプレイの多くは、ドロー、アウトサイドへのゾーンブロック、オフタックルないしタックルのすぐ内側のラン、などがメインとなっています。Marshawn Lynchほどの腰の強さはありませんが、C.J. Spillerよりも強くカットもセンセーショナルで、近年のBuffaloのRBでは比較にならず、Thurman Thomasの全盛期に喩えられるべきプレイヤーです。

これほどの選手が追い出されたのは、ダンシング・スタイルがHC Chip Kellyに嫌われたからのようです。Karlos Williamsのようなワンカット突撃ランナーのほうが計算できるからで、しばしばロスするプレイを含み、ショートヤードに強みのないLeSean McCoyに魅力を感じなかったから。代わりに取ったDeMarco Murray(ハイライト)は両OTの間を縦に的確に走る印象があるので分からなくもないです。

初めてPennsylvania州を出て、Billsに移籍してからのLeSean McCoyはハムストリングの怪我の影響などで本来の能力を発揮できていませんでしたが、Week9のMiami戦に続いてWeek10のNYJ戦と2試合連続で100ヤードを突破し、本領を発揮してきました。7年目ですがまだavg.が3ヤード台に落ちたことが無く、使い減りはしていない印象です。タックルされても粘りが出てきましたし、トップスピードも申し分なく、パスキャッチもスムース、ダンシングも悪いほうには出ていません。今のところ、Greg Romanのオフェンス・スキームに合わないという様子はありませんし、むしろRomanがMcCoyに向いたプレイを選んでコールしている印象があります。キレキレのムーヴでエクストラ・ヤードを稼ぐ、こんなproven premier RBが割安なトレードで手に入ったのは、かなりのラッキーだったと思わざるを得ません。

ちなみにニックネームである「shady」は母親が赤ん坊のときに名付けたのだとか(元ネタ)。笑った次の瞬間に泣いたりするので、「気まぐれな、気分屋さんmoody」というニュアンスだったそうですが、類語辞典thesaurusを調べてもshadyにそういう意味は無く、本来は「疑わしい、怪しい、影がある」などの意味なのですが、shadyで定着したようです。

Karlos Williamsとのワンツーパンチで怨念の敵パッツを粉砕し、チームに自信と勢いをつけ、相手ディフェンスの注意を引きつけてTyrod Taylorを助ける、そんな頼れる存在になって欲しいですね。

# by bufbills | 2015-11-15 23:36 | Runningback/FB | Comments(0)

2015 NFL WEEK10

木曜日にゲームがあると忙しくて仕方がありませんね(大本営)。

THURSDAY, NOVEMBER 12TH
BILLS 22 17 JETS


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# by bufbills | 2015-11-14 22:19 | NFL | Comments(1)

Josh Johnson=QB Buffalo Bills

TNFのジェッツ戦、第2QBだったのがこの人です。29歳になる8年目のJourneyman。モトモトは2008年のTampa Bayのドラ5。San Francisco時代にGreg Romanを経験しており、今季のオフシーズンは大部分Cincinnatiにいたという理由で、ベンガルズ戦前にチームに加わりました。 Kyle Ortonの引退以来、Jeff Tuel、Alex Tanney、Matt Cassel、Matt Simms、Dustin Vaughan、といった面々のtransactionがありましたが、果たしてシーズン終了まで残っているでしょうか。

EJ Manuelが2ndQBでなかった理由について、Rex Ryanは「次のゲームまで短かったんだ。ジョシュは今回のゲームプランが良く分かっていた。サンフランシスコ時代にジェッツと対戦しているし、ある意味タイロッドよりも分かっているよ。ただそれだけの理由だ。EJが我々のバックアップQBだし、残りのシーズンはずっとそうだ」(元ネタ)と説明していますが、本当かどうか分かりません。

Josh JohnsonはTampa Bayを出た後、Cleveland、Cincinnati、49ers、Indyと渡り歩いており、ここ数年はプレシーズンを除けばNFLでパスを投げていません。パス成功率54%、5TD、10INT、という選手を控えQBにしてしまうのですから、EJ Manuelの信用がどれほどのものか、なんだか神妙な気持ちになるエピソードでした。

# by bufbills | 2015-11-14 22:12 | Quarterback | Comments(0)

2015 Week10 Buffalo@NYJ Result

22-17でディフェンスマッチを制しました(結果)。

MVPは3つのtakeawayに絡んだBacarri Ramboです。1つ目は3-3の拮抗した局面で、相手のキックオフリターンでファンブルフォース。Duke WilliamsのリターンTDにつながった、グラウンディング寸前の相手の脇に手を叩き込んでのビッグプレイ。これでモメンタムがかなりコチラに来ました。2つ目はKarlos WilliamsのTDパスキャッチで19-3とした直後、Chris Ivoryから力任せに奪いました。点差を拡げるFGにつながっています。そして最後は22-17で残り24秒、Ryan FitzpatrickのパスをINTし、勝利を決定づけました。

オフェンスは最初がダメ、真ん中がグレイト、またショボショボになって、最後に2回ファーストダウンを更新して必要なkill timeを遂行しました。何と言ってもようやくヘルシーになったLeSean McCoyが真価を発揮しています。ダンサーとも呼ばれるカットバック、ホールを探す能力、駆け上がるスピード、Buffaloの中では全盛期のThurman Thomas以来の素材と感じました。♯52 David Harrisや♯56 Demario Davisはそうとう嫌らしく感じたのではないでしょうか。さすが、元NFLのリーディングラッシャーという看板はダテではありません。Karlos WilliamsはジェッツのノーズDamon Harrisonが強いためか、中央のランで全くゲインできず(脳震盪が怖いのか中央だと突っ込みもイマイチ)、やはりエッジの外を回らせたほうが面白いです。ただ、たまたまパスプロが持ったためにTDになったプレイで、ダウンフィールドでパスキャッチの能力を見せたのは新鮮なオドロキで、Greg Romanのプレイコールの幅が拡がるのではないかと思いました。OLのランブロックは誰かが傑出して良いということもなく(Richie Incognitoも普通でした)、むしろシーズン序盤に比べてユニットとしてまとまりが出てきたと思います。右へ全員がランブロックで流れてLeSean McCoyが適当に駆け上がるプレイ(先週Miami戦の48ydsTDラン)も、十八番になりつつあるような。

Tyrod Taylorはdecision makingに課題を残し、個人的には「C−」くらいでした。投げ捨てずに無駄に走り過ぎでTDチャンスを潰しました。♯96 Muhammad Wilkersonのコンテインが素晴らしかったですね。ただ、INTはゼロで、投げたパス自体は悪くなかったです。Sammy Watkinsのジャンプが早かったり、WatkinsがRobert Woodsと脚が絡まったり、味方がピリッとしなかったのもあります。今後気になるのはブリッツの処理方法です(7メンラッシュとかに曝されました)。Tom BradyならオーディブルをしてWRにアンダーニースを横に走らせることでクリアするのでしょうが、RomanやTyrodはどうするつもりなのでしょうか。基本的にはブリッツが入ったときにプレッシャーを受けており、単純なラッシュではパスプロが持っていて、OLは責任を果たしていました。Calvin PaceやLorenzo Mauldinあたりのアウトサイドからのラッシュとかも気にはなっていたのですが、目立ちませんでしたね。

ディフェンス。Mario Williamsがいないなぁと思いながら見ていましたが(第1Q途中で具合が悪くて退いた模様:詳細不明)、大きな破綻はありませんでした。Rex Ryanのディフェンスはそういうスキームなんでしょうね。NYJも似たようなディフェンスをやってきたので、それが良く分かりました。つまり、フロント頼らずにLBやセカンダリーで素早くプレッシャーを掛けて、サックにならなくてもいいからゲインを最小限に抑えたり、タイトなカバレッジに投げ込ませてIntを狙う、ってことなんでしょうね。良かったのはRonald Darbyで、4thダウンで素晴らしい寄せを見せBrandon Marshallをしっかりとタックル、3つのディフレクト、これがドラ2のルーキーだなんて文句無しのbargainです。それからPreston Brownが少しだけプレイ理解が早くなったかもしれません。3&outに仕留めた際の、WRへのタックルが秀逸でした。Nickell Robeyは2つのTDに絡みましたが、大きな問題があるとは思いません。1つ目のBrandon Marshallのはクロスパターンで、外に付いていく予定がアウトサイドから来たレシーバーにピックアップされてしまい追えなかっただけで、プレイコールの問題です。2つ目のEric Deckerは縦に走られました。相手は6-3あるので背の低いRobeyにはSafetyのフォローがあってしかるべきで、Bacarri Ramboのサポートが遅れただけです。

ランD♯。Chris Ivoryに18回99yds走られましたが、コンスタントに走られて止まらなかった、という印象はありません。短い距離は2列目以降が結構ビシバシタックルに行ってましたし、メリハリが効いていました。MarioとKyle Williamsが不在なので、♯98 Alex Carringtonと♯97 Corbin Bryantを多く見掛けましたが(たまにIK Enemkpali)、Marcell Dareusが中央のcloggerとして存在感を見せていたと思います。Nigel Bradhamのヘルメットが飛んだシーンはヒヤッとしました。デプスがなくて紙みたいなLB陣がさらに髪の毛一本になるところでした。個人的にはManny Lawsonをもっと効果的に使って欲しいと思います。なんでもそれなりにこなすし身体の強さもあるので、ランD♯向上の一翼を担えると思うのですが、まあ、Secondary重視なんでしょうね。ジェッツのほうでも♯45 Rontez MilesというDBがタックルで目立っていましたし。

Cincinnati戦の頃はブリッツも控え目で、MarioやJerry Hughesがパスカヴァレッジに下がる理不尽さもあり、その後の4メンラッシュも中途半端で「Rex Ryanは何がやりたいんだろ?」と思っていましたが、たぶんDLに頼りたくないんだろうな、と思います。でも、BuffaloはDLに資金を注ぎ込んでしまっています。となると、相対的に価値の下がるMario Williamsのトレードは確かにあるのかもしれません(私なら出さないですけど)。Marcell Dareusも払い過ぎで、パスラッシュはいらないからサイズの大きなランスタッファーを安く連れてくればいいのかと。これはPittsburgh的な3-4DLの発想ですね。PittsburghだとLBに2人くらいビッグネームのタレントがいたりしますが、Rex RyanだとLBもランD♯さえしっかりやってくれるなら、アスレティック能力は求められないかと。Edgeラッシャーは一人いたほうがなにかと便利なので、若いJerry Hughesに頑張って貰う皮算用ですかね。

とにもかくにも、「ディフェンスが踏ん張って、ランで勝つ」という、誰もがシーズン開始前に描いた青写真に一番近いゲームだったと思います。こういうゲームがシーズン中盤でできたことの意義は大きいですね。チームの熟成は進んでいるし、怪我人も戻ってきて、次のマンデーナイトまで少し時間もあります。是非、Patsの連勝を止めて、プレイオフ進出につながるような、力強い11-12月を期待したいです。

# by bufbills | 2015-11-13 22:12 | Bills | Comments(4)

Marcus Easley=WR/Gunner Buffalo Bills

Marcus Easleyは6-2,217,40yds4.46。Connecticut出身で2010年のドラ4(全体107位、ドラ1はC.J. Spiller)。ドラフト時から「スキルは未熟だがサイズがあってタフなキャッチができ、キャッチ後のランが期待できる」と言われた素材指名でしたが、先日のJAX戦の58ydsTDがNFLで初のTDキャッチになり、パスレシーヴも通算3回目、とレシーバーとしては期待はずれな結果になっています。

rookie yearは半月板meniscusの損傷で棒に振り、翌年も心臓疾患で休場となり、早くもキャリアエンドの危機に瀕します。2012年はいったんカットされた後PS入し、12月になってからスペシャルチーマーとして登場しました。2013年は2キャッチを記録していますが、Danny Crossmanが指揮するスペシャルチームのエースとしての地位を確立することになります。

Marcus Easleyのポジションはズバリ「ガンナー」です。ガンナーはパントフォーメーションでWRの位置に入り、スナップされると同時にダウンフィールドに走り込み、パンターが蹴ったボールが空中を飛んでいる間になるべく落下地点の近くまで到達し、タックルすることを使命とするポジションです。Easleyは「下手をすると40ydsで4.4を切るかもしれない」と言われるスピードに加えて、6-2(約188cm)と身長もあり、マッチアップするCBのバンプに負けずにリターナーに殺到することができます。その才能が認められ、2014年シーズン後いったんFAになった際には他のチームからも注目を集めましたが、4年7ミリオン(サインボーナス1.7ミリオン)でBuffaloと再契約し、2018年までkeepされることになりました。

ただ、今年に限って言えばMarcus Easleyはオフェンスでも出番を増やすべきだと思います。これまではT.J. GrahamやMarquise Goodwinの影に隠れてオフェンスチームで練習することは少なかったようですが、WoodsやHoganがスピード不足でディープ要員の足りない現在、Marcus Easleyが持つ傑出したスピードの出番は必ずあります。かつてのSteve Taskerのように、少しずつプレイングタイムを増やしてくれれば、と強く願う今日この頃です。

# by bufbills | 2015-11-12 23:58 | Specialteamer | Comments(0)