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ペーター・サガン(ペテル・サガン)が自転車ロードレース世界選手権制覇

2015年9月、ペーター・サガンがとうとうアルカンシエルを手に入れました。結果を知らずに先日のNHK-BSの放送を見たのですが、これほどスカッとして溜飲の下がるレースを見たのは久々です。2003年のツール・ド・フランス第12ステージで、ウルリッヒが個人TTでランス・アームストロングに勝って以来でしょうか?(爆)




サガンはビッグタイトルを取れずに長く苦しんでいました。実力に見合わない結果ばかりだったのです。特に春のクラシックは、ミラノ・サンレモも、石畳のロンデ・フランデレンやパリ・ルーベも、アルデンヌ三連戦も、ピントが絞れないまま。2012年くらいまではジルベールと双璧のキッレキレでしたが、以後は脚質転向でも試みたのか、スプリントの爆発力も、ヒルクライムの威力もイマイチでした。今年のツール・ド・フランスに至っては2位が5回というあんまりな結果。4年連続のポイント賞は素晴らしいことは素晴らしいですが、区間勝利がないのでは価値も半減します(ピークが過ぎた後のエリック・ザベルもそんなカンジでしたが)。逃げに乗っても何処か中途半端でした。

ここのところずっと、レース終盤で好位置に付けていても、自分からは仕掛けないでいるうちに誰かのアタックが決まり、集団スプリントの2位争いに参加する、みたいな消極的なレース運びが多かったように思います。「サガンがアタックすると、必ず誰かがマークについてくるので、自分では行かない」ことを理由にしているようでしたが、結局のところ地力が落ちているのだろうかと疑っていました。が、とうとうやってくれました。

UCI世界選手権ダイジェスト

残り3kmを切って、リッチモンドの最終周回の「23番通り」で、ファン・アーベルマートがアタック。いつもならここも二番手で好位置キープに留まるだけのサガンでしたが、今回は全力本気の強烈なアタックを見せます。登り切ったところでは2秒も差がなかったのですが、後続のファン・アーベルマートとボアッソンハーゲンが協力体制を築けないうちに、怒濤の下りでリードを拡げました。最後の1kmは少し登っていて、長く感じたのではないかと思います。後続に3秒差をつけてゴールラインを越えたとき、いろいろなものが吹っ切れたように見えました。

「今日は、待って、待って、待った。」

サガンにしては珍しく、タイミングを見計らってのアタック一発でした。

サガンは自転車ロードレースのダーティーなイメージを塗り替える新しいスターになるべき選手だと思います。若く、明るく、誰からも好かれる性格。わずか3人で参戦のスロバキアで勝ったのも極めて価値が高い。カンチェラーラ、ボーネン、バルベルデ、そういう面々を越えるような選手になるように、今後の活躍を祈ります。
by bufbills | 2015-10-15 21:42 | Privates | Comments(2)
Commented by SLEEP at 2015-10-25 17:42 x
ダイハードなMTBerとして嬉しいかぎりです。
生来のヤンチャさと高い個人能力をどうロードレースという競技で生かすか、クロカンのジュニアチャンピオンから鳴り物入りで転向してポディウムガールのお尻を触ってた小僧から大人になったということでしょうか。
Commented by bufbills at 2015-10-25 22:19
サガンはロードバイクでウイリーしてましたからね。あのライディング・テクニックは見習いたくても不可能なレベルです。

少なくとも世界選手権は狙ってましたね。スロバキアは弱小チームなので、いつもよりも他のチームからのマークが薄かったのが幸いしたんじゃないでしょうか。ボアッソンハーゲンもクリストフのアシスト役とかでファン・アーベルマートと共闘できなかったようで、展開にも恵まれました。

本音としては長くいたキャノンデール時代に勝って欲しかったですけど、まあ仕方ないですね(笑)
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